日本とボリビアのかけ橋に!
日本ボリビア人協会は、日本とボリビアの文化の違いを超えて、ボリビア人が日本社会に順応できるように相談・支援を行う目的で設立された団体です。
日本に暮らすボリビア人のネットワーク化を図り、ボリビア人が快適に日本での生活が送れるように日々活動を行っています。(一部HPより抜粋)
日本ボリビア人協会を始めることになったきっかけ
南アメリカにはカトリック教徒が多く、約200人が訪れるスペイン語でのミサでのできごとが活動のきっかけになったそうです。このミサに参加している人たちの困りごとの相談を最初は神父さんがすべて引き受けており、ロサリオさんは大変そうだとずっと感じていました。
ロサリオさんのご主人は日本人。そしてロサリオさん自身、日本語や文化の知識は少しありましたが、それでも日本で生活をしていくのはとても大変なことでした。
「それがボリビア人だけのグループだったら・・・自分以上に大変なのでは?」と思われ、そこからロサリオさんの活動がスタート。
ミサに通っていたボリビアの人たちから「ボリビア人のための相談窓口を作ろう。」という提案が出たことから、神父さんが中心となって現在の日本ボリビア人協会の母体となる団体ができました。
設立は?
1995年に奈良ボリビア協会として活動がスタート。
その後団体が大きくなり、2010年までは大阪を拠点として関西ボリビア人会として活動されていました。
2003年からロサリオさんは国際交流財団の仕事で三重県に。それがきっかけとなって2010年以降は津市を拠点に「日本ボリビア人協会」として活動するようになりました。
2012年3月26日NPO法人格取得。
団体設立時の活動人数と現在
団体設立の際に50人の中から選ばれた代表5人のうちの1人がロサリオさんでした。
ロサリオさん以外のメンバーは日本に出稼ぎできていたことから、彼らが平日や日中に活動することは大変難しかったそうです。そんな状況もあり、当時まだ育児中だったロサリオさんが次第に代表的な役割を担うようになっていきました。
またロサリオさんのご主人が日本人であったことから、ロサリオさんが日本語を話せるだろうと考える人がたくさんおり、団体の中心的存在となっていかれたそうです。
現在、日本ボリビア人協会に登録しているボリビア人は全国に約300名いらっしゃいます。そのうち三重県に在住している方が約170名、そのほか、愛知県や大阪、東京などに登録者がいます。
団体の活動目的
『日本ではボリビアという国自体がまだ知られておらず、日本に馴染んでいないのが現状です。ボリビア人だけでかたまって過ごしているばかりでは日本語能力もあがらないし、日本で生きていくうえで有益となる情報も得られないですよね。』
そうロサリオさんは言います。
そういった状況を踏まえて、ボリビアのコミュニティと日本のコミュニティがもっと交わっていかなければと考えているそうです。
今までの一番の成果
【エクスポ・ボリビア】
エクスポ・ボリビアとは、2日間行われる南米 ボリビアの文化を紹介する約1,000人もの人々が訪れる大きなイベントです。
ボリビアの民族音楽・ダンスのステージのほか、織物、陶器、食品等の民芸品の販売コーナーもお目見えします。
三重県や市などの行政や企業、JICAとの信頼関係ができているのがこのイベントの特徴で、これらの団体もエクスポ・ボリビアにブース出展します。
ロサリオさんとしては、
『開催場所には遠方からの参加者がいるため、もっとイベントを大きくしていきたい。』
『特に日本人がもっとエクスポに来てほしい・・・』
『広報がいつも開催間近になってしまうことが課題。』
と感じているそう。
エクスポ・ボリビアはまだまだこれからも大きなイベントになっていきそうです。
今までで一番苦労したこと
ロサリオさんから即答で返ってきた返事は、病院です。
とくに緊急時の対応が大変だとのこと。
日本各地に住むボリビア人が体調不良のときなど、緊急時にロサリオさんに電話がかかってくることがあるそうです。しかし問題なのは、助けを求めてきた方から電話で伝え聞いたその時の状況(どこがどのように痛いのかなど)を病院側に正確に説明するのが難しいということ。
こういったボリビア人のサポートを長く行ってきたロサリオさんは、とても辛く悲しい経験もお持ちです。少しでも早く正確に伝えていくためには、まだまだ改善していく課題がたくさんあるそうです。
現在の活動で特に力を入れていること
【生活相談窓口としての役割】
2010年からロサリオさんは生活相談窓口の役目を担っており、日本各地を駆け回る忙しい日々を送っています。
特にリーマンショックが起こった2010年は、日本人だけでなく多くの外国人も職を失いました。そこでロサリオさんは、雇用保険制度について外国人労働者に説明するセミナーを企画しハローワークに提案。最初は休日にセミナーを行うことに関して難色を示していたハローワーク側も、県や国際交流財団の後押しを受けて開催が実現されました。
その結果、ボリビア人だけでなく、様々な国籍の人たち約150名がセミナーに訪れました。
他には、就職マナーについて(例:時間に関する意識の違いなど)や、警察からの依頼で飲酒運転についての講演をしたこともあるそうです。
その他の活動内容
【アルパカのストール販売】
日本ボリビア人協会では、ボリビアの首都ラパースにあるアチャカチ村に住む先住民族の手織り製品の販売を手がけています。アチャカチ村は、とても貧しく生活に困っている人々が多くいる地域であるとのこと。
ロサリオさんは津市に住む知り合いを通して、彼らが作ったアルパカのストールを販売しています。 日本で販売するには洗濯表示がきちんとしていないといけないなど、今回初めて学ぶことも色々と多かったそうです。
今後の展望
ロサリオさんは、
『ボリビアと日本の交流の第一歩として食べ物の交流をしていきたい。』
そして『夢は“外国人の村”をつくること。』と語ります。
例えば、商店街の空き店舗を利用し、外国人が母国の料理を提供する。そうすれば売上は彼らの収入源になり、母国を紹介できる絶好の場ともなります。
『ボリビア人はお年寄りを大切にする気質がある。この先こういった取り組みは介護の役割を兼ねた場づくりになる可能性も高いですよね。それに日頃からボリビア人と日本人が少しずつ交流を重ねていくことで、災害が起こったときには心から助け合えると思います。』
ロサリオさんはいろんな課題を乗り越え、思い描く夢の実現に向けて日々全国を奔走しています。
団 体 概 要 | ||
団体名 | NPO法人 日本ボリビア人協会 | |
代表者 | 山田 ロサリオ | |
主な 活動内容 |
・労働・教育・出入国手続きなどの相談・サポート ・文化交流(エクスポ・ボリビアの開催など) ・日本人とボリビア人の間によりよい関係を 築くための支援 |
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会員情報 |
・会員数:300名 ・日本語またはスペイン語で応談可 |
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連絡先 |
三重県津市大門7-15 津センターパレス3F 津市市民活動センター
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最終更新日:2013年4月5日